塾講師から他業界へ転職する人が多い理由とは
塾講師からの他業種への転職を考えている方も多いかと思います。これにはいくつか理由があります。純粋に講師という職業に限って言えば、その定年は他の職種とくらべてかなり早いです。
平均年齢が20代後半ですので、いかに息の短い職業かがわかります。やはり体力勝負のしごとなのです。
では、講師として働いている方の内、30代などを目前に控えた人はどのような人生プランを持っているのでしょう。
一つは、講師としての実績が非常に高い場合には、そのまま塾に残って講師を続けるか、あるいはフリーの講師になり、予備校などで授業をすることになります。
特にこの形は、大学受験の世界で多いです。人気講師ともなれば、予備校から引っ張りだこです。年収も1000万を超えてきます。もう少し現実的なキャリアとしては、塾の中で講師ではなく管理職に転身する方法があります。
主任や塾長、ブロック長、あるいは広報や教材作成に回る方もいます。
転職となると、やはり経験を活かせる仕事がおすすめです。
限られてはいますが、教育業界は継続的に仕事があり、新規参入の企業も多いです。例えば教材作成の会社への転職、授業の経験を活かした営業職、学習塾を開いて独立、家庭教師への転身などがあります。
講師からの転職は難しいというのが一般論ですが、世の中には未経験で年齢が高くとも転職先はたくさんあります。
塾講師は伝える力、コミュニケーション能力、度胸など、人間としての馬力が身につく職業です。忙しくとも実績重視の営業職、あるいは小売店でのエリアマネージャーを目指すなど、選択肢は多いです。
塾講師からの転職で多いパターンとは?
塾講師の転職についての注意点は、講師職の特徴を把握するのが大切です。学習塾を就職先とした場合には、30代からのキャリアを考えるべきです。
講師は平均年齢が低く、30代からは管理職へ移行していく人が多いです。その他の人は、転職を考えています。この場合、できることなら講師としての経験を次職で生かしたいです。
当然業界としては、教育関係がいいでしょう。例えば、講師でも資格関連の講師へ職を移すことができます。
この場合、例えば宅建など、ポピュラーな資格取得を実際に試してみることです。
塾での勤務をしている時から勉強していき、うまい具合に資格予備校へ移ることが可能性としてあります。また、家庭教師などへの転身もあります。
塾の講師と違って、こちらは平均年齢が高く、定年もありません。自力での転職よりは、エージェントサービスなどを利用して、最低でも年収を維持しつつ職を変更するのがいいでしょう。もちろん、教育業界以外への転身も可能です。
実例を見てみると、経験を活かすという意味では公務員なども候補としてあります。普段勉強を教える立場にあれば、筆記試験にも役立つでしょう。
公務員になってからの業務は、特に専門性の高いものではないので、無理なく移行できます。また、高齢での未経験歓迎職種としては飲食店や小売店の店長職、マネージャー職があります。
業務内容はきつめですが、キャリアアップもでき、給料や待遇面も優れています。いずれにしても、講師時代からしっかり準備をすることと、遅くとも30代のうちに活動を開始することが大切でしょう。
塾講師から一般企業への転職先の成功事例
続いて転職先の成功事例をまとめます。
広告代理店に転職
個別指導塾まつがくから、総合広告代理店に転職しました。
塾の講師の時は、生徒1人、多くても2〜3人という少数に対して、先生が一人つくという指導スタイルで指導を行っていました。
仕事的にはきついこともありましたが、何とか続けられるものだったのですが、給与的には業務委託として、1コマで報酬が支払われる内容となっており、実労働時間を考えると、時給換算して非常に低い時給になることがわかり嫌になったのです。
実際、別業界で働いてみると、その仕事内容はまだまだ覚えることが多く、日々勉強なのですが、給与的には月給制で支払われるので、特に問題に思うこともなく過ごしています。
今の年齢で転職をしたことで、この先の給与の伸びもありますので、転職して良かったです。
面接時に聞かれたこと
面接については、転職の紹介会社に登録をしてから行いましたので、事前に面接の準備も行った事でスムーズに進めることが出来ました。
面接当日は、面接官2名に対し、私1人。数年ぶりの面接ということもあり、とても緊張して臨みました。
実際の面接の時間は1時間程度。履歴書と職務経歴書に沿っての質問が主となりました。
また塾講師になった理由、そして、塾講師をやっていた中でやりがいを感じたこと、大変だった事等、よく面接で聞かれるような内容で話が進みました。
その中で、塾の業界から別の業界に転職したい理由を答えたのですが、その理由については、あまり否定することなく、未知の分野へのチャレンジ意識ということを強く訴えました。
今後転職を考えている人も、以前の職場の悪口は言わない様に注意した方が良いと思います。
運送会社の事務員に転職
30代後半、転職前は全国区の大手有名学習塾、大学卒業して新卒入社、30代前半まで学習塾で小学生と中学生を教えてきました。
転職を考えたのは30代前半でした。教員免許を持ちながら小学校や中学校に勤務する大学時代の仲間から、「少子化で小学校中学校が少なくなる。
学習塾はそれに値する。」と言われて、気持ち的にあせりました。
「教員免許」「倒産しない会社」「指導者」を活かせる道で自動車学校の指導員を考えましたが、少子化で倒産の恐れがあるので辞退しました。選んだのは地元で有名な運送会社です。事務員として配車手配や荷受け作業を行なっていますが、上司も同僚も優しくて満足しています。
面接時に聞かれたこと
「何故教員免許をお持ちなのに異業種の運送会社を選びましたか?」「年齢的にまだ間に合う、遅くないから小学校や中学校を受験しなさい。」「あなたは教員という仕事が合っていますよ。」と面接の方に言われていました。
しかし「今は少子化で学校事態が少なくなっていますし、教育現場は大変です。年齢とこれからの人生を考えた時、異業種で働きたい、祖父や親戚が御社の社員さんの誠実で素直な対応を見て、人生やり直すつもりで御社で働きたいと思いました。
学習塾の講師を通して、相手に優しくも時には厳しく教える姿勢、相手を思いやる大切さを教えてきました。御社の仕事でこの事がお役に立てます。」とお伝えしました。
そのことを面接官も受け止めてくれたようで、無事合格できました。
不動産業界に転職
集団・個別指導のどちらも行う地域の学習塾に勤めていましたが、28歳の時に不動産会社へ転職しました。結婚・出産後も講師の仕事を続けていたのですが、勤務時間は夜が中心でしたので、自分の子のことを考えると、昼の仕事がしたいと思ったことがきっかけです。
もともと宅建士の資格勉強をしており、資格取得と実務経験を積めたことが一番のメリットだったかと思います。固定給のみで言えば学習塾時代と賃金はさほど変わりありませんでしたが、不動産会社では歩合制の部分もありましたので、年収は上がりました。
また、学習塾で働くのは20代・30代といった自分と同世代の方々が多く、公私ともに友達のような関係でいたのに対して、転職後は職場の年齢層が広く、職場内でそのような付き合いをすることはありませんでした。プライベートと仕事の区切りをつけたい私にとっては良かったことでした。
面接時に聞かれたこと
勤務時間帯を夜から昼へ移行させたいこと、資格取得の勉強と実務経験を積みたいことが志望動機でしたので、特に突っ込んだ質問をされることはありませんでした。
なぜ不動産業界へ興味を持ったのかといえば、大学在学中に何か資格が欲しい、今の自分でも取れるものなら何でも、ということで手を伸ばしたということだけでした。
当時私は教育大学に通っており、卒業すれば教員免許をもらえる、都内であれば教員募集は多くある、という状態にありました。
同時に、小学生の頃から夢見ていた教員でしたが、実際に教育現場に携わってみて、少し違うと感じていた頃でした。ずっと夢見ていたものが急になくなってしまって焦っていたのだと思います。そんな時に出会ったのが宅建士の資格だったのです。
面接の際に、そのような迷いの話もしました。入社すれば共に働くことになるのですから、綺麗事を並べる必要はないと思います。